- 結果と時間
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「勉強」には、長期的な目標と短期的な目標があります。長期的な目標とは、例えば中学1年の子に対し、中学3年間の履修内容(と高校の内容)を逆算して、完成形を想定すること。そして短期的な目標とは、そのために途中途中のポイントで到達目標を設定することであり、さらに身近なクリアしやすい目標を与え、一つ一つ達成させてゆくことです。 これを「受験」に置き換えると、長期目標としては「志望校に合格する」ことが第一であり、短期目標としては、高校受験なら学期ごとの通知表の評定に、模試での成績・志望校判定が加わります。大学受験と中学受験では、短期目標は主に模試の結果です。ところで、模試の結果というのは、それこそ「目安」に過ぎないものであり、いくら模試でA判定をつづけていても、本番の入試で失敗すれば何にもなりません。一方模試ではC、D判定ばかりでも、本番で合格すれば、志望校で勉強することができるようになるわけです。そして前述したように、入試の合格は志望校で勉強するための切符・パスポートであるわけですから、短期の結果ばかりを追うことは、お子さんのためにおすすめしかねます。 もちろん、「塾」には短期で結果を出すやり方は、たくさんあります。指導方針と異なるため、指導実績の項ではあえてふれなかったことですが、実際に小6の9月の一ヶ月だけで、苦手だった国語の偏差値(四谷大塚)を47から52へと5アップさせた子もいます(特別に引き受けたもの)。また昨年6月に入塾した小6の生徒は、入塾直後の7月の首都圏模試の国語の偏差値が57、10月に61、12月には64と、順調に成績を伸ばしました。 しかし短期指導の効果が永続して、そのまま偏差値が15、20と上がりつづけるわけではもちろんなく、むしろ点数直結式ではないやり方で(建築で言うなら基礎工事をしっかりやって行くように)学んだ方が、本当の力が身につくことが多いのです。本当にお子さんのためになる「結果」を得るには、ある程度の「時間」も必要と考えることが大事です。