作文が苦手、という子が多いのは、なぜでしょうか。
本当は誰しも、「自分のこと」こそ一番語りたいはずなのです。
現に表現の指導をある程度受けた子どもたちは、「夏休みの経験」のような内容の作文は、実に楽しそうに書いてくれます(今度の夏休みに何をしたい、というような、「想像」を伴う内容だと、とたんに苦手にはなりますが。詩や短歌などの「創作」も同じです)。
それなのに多くの子どもたちが「作文は苦手」と口にするのは、やはり書くことについて本当の楽しさを感じる機会が少ないのと、課題的な負担感が大きいからではないのでしょうか。
しかし年齢が上がるにつれ、否応なしに、自分について「書く」機会、「語る」機会は増えて行きます。
学齢期の子どもに即して言えば、入試の「志願理由書」(都立中高一貫校や私立高など)や「自己PRカード」(都立高)に始まり、大学のAO入試や各種推薦入試の「エントリーシート」、そして在学中のレポートや卒業論文(一部中・高でもあります)等々、「書くこと」を避けて通れる人はほとんどいません。
さらに「面接」となれば、すべての人が必ず経験するであろうと思われます。
その時に求められるのは、「自分のこと」を「わかりやすく」、「相手に伝えること」ですが、ここで必要なのは「書くこと」で鍛えられる「要約力」です。
書くことにより、人は誰でも自分の考えを整理し、筋道立て、さらに新しい発見をします。
書く能力=自己表現力は、人生のさまざまな局面でその人の「力」になるのです。
だから言問学舎では、「自分の言葉で表現できる子」を育てることに、全力を注いでいます。
そして言問学舎では、ことばの「表現者」がじかに表現することを教えます。
いちばん初めは、小田原漂情の口から出て来ることばを書いて行くので(小学生『音読と読解の講座』の場合)、子どもたちはことばの魅力を存分に味わい、書くことが好きになります。
個人差はもちろんありますが、年齢的には小2の夏休みを過ぎた子なら、一人できちんと作文が書けるようになるものです。